スカイ・クロラあらすじは↑コチラから
原作森博嗣・監督押井守
スカイ・クロラの世界は現代と
似て非なるものであり、
非て似なるものであったと思う。
現在日本は平和だ。
戦争をしてる訳でもなく、食べるものにも
みんなが困っている訳ではない。
では、何故平和だと知っているのか。
そもそも平和とは何なのか…
私達はかつていろいろな国と争い、人が公然と殺され
公然と殺していた時代があった事を
多かれ少なかれ学んでいる。
何とも野蛮で愚かしい行為だと教えられて、
現代では公然と人が人を殺している『戦争』というものは今の日本にない。
が、しかし…
戦は廃れても、争いは人間の性なのかもしれない。
私達は日常生活で悪口を耳にしない日がどれくらいあるだろう?
友達からのメール、同僚の上司に対する愚痴、公共の電波。
悪口を聞かない日の方がないんじゃないだろうか…
それくらい争いは人から切り離せないモノ。
人は常に平和を望む、だけど、平和になると不安になる。
平和で日々が退屈になると、何が平和か更に生き方すら忘れてしまうみたいだ。
それを思い出す手っ取り早い方法
それが、自分に死の危険が無いくらいの規模の争い。
平和な時代に生まれてきた私達は
常に何らかの争いの中に身を置く生き方しかできないモノになったんだろうか?
元来そういう質のモノなんだろうか…?
スカイ・クロラの世界はそんな人々の本質をシンプルに
ダイレクトに表した世界だった。
キルドレは現代の日本人そのものの気がした。
子供と大人の境界線が曖昧で
毎日毎日、何年も何年も、同じ事の繰り返しと日々を感じてしまい
永遠にも似た様な膨大な時間を持て余している…
そこから抜け出す術を忘れてしまった人々。
だけど、本当は忘れたふりなんじゃないかな…
スイトは必死で『永遠』から抜け出す術だと信じ戦っていた。
それは独りでは途方も無い事のようだった…
ユーイチとふたりだから戦っていられるんだと思う。
ヒトリでは無くフタリ。
ユーイチは最後に気付いたのか、知っていたのか…こう言う。
『昨日と今日は違う』
その違うということさえ忘れなければ、
毎日は初めてであふれてる事を知っていれば。
退屈の負の循環がうすれて
明日が少し楽しみにはならないだろうか…?
『昨日と今日は違う』そんな簡単な事でも
ヒトリでは忘れてしまうけど、アナタが忘れなければ思い出せる。
アナタが忘れてしまっても、ワタシが覚えていれば思い出させてあげる。
今回の映画から私は、そんなメッセージを受け取った。
さて、すっかり重々しい話になってましたが…
そんな内容とは裏腹に映画は空のシーンが多く
とても爽やかで清々しく
人間の性(さが)が描かれてます。
森博嗣さんの世界観と押井守監督のテイストが
十分にコラボされた映像と音楽になってます。
映画面白かった?と聞かれましたが、
『面白くはなかったよ』と答えました。
決して楽しくて笑っちゃう様な映画ではないから。
そういう映画を見たい人はぜひ『崖の上のぽにょ』へ★
こっちの感想も書かなきゃΣ( ̄□ ̄;
あ、長い事個人的な感想にお付合い頂き
ありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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